第58回日本小児循環器学会総会・学術集会
会長 土井 庄三郎
(独立行政法人国立病院機構 災害医療センター院長)
(東京医科歯科大学 客員教授)
この度、第58回日本小児循環器学会総会・学術集会の会長を務めさせていたいただくこととなり、皆様方にこの場を借りて御挨拶させていただきます。
本学会は、1963年に大国真彦教授ら4名の有志が世話人となり初会合が開かれ、1965年に第1回小児循環器研究会総会が名古屋で開催された伝統のある学会です。同年に米国では、鎖骨下動脈-肺動脈吻合術を編み出されたHelen Taussig教授がAHAの会長を務められました。1981年第17回より現在の日本小児循環器学会と改称されました。
本学会は循環器診療に携わる小児科/内科医と外科医だけでなく、集中治療医、病理医などの基礎分野医師、看護師、臨床工学士や薬剤師など多職種のコメディカルが所属し、ライフサイクルを通しての小児~成人に至る幅広い年齢層で、数多くの種類の心疾患を扱っています。そのためジョイントセッションを設けている関連学会も多く、国内では日本循環器学会と日本心臓病学会、海外ではYoung Hearts of American Heart Association (AHA), Association for European Pediatric and Congenital Cardiology (AEPC), Japan-China-Korea (JCK) Pediatric Heart ForumそしてTaiwan Society of Pediatric Cardiology (TSPC)など国際的にも幅広い活動を継続して行っています。
今回の学術集会は、2年にわたるCOVID-19 pandemicを乗り越えた後の、初回の学術集会となることが大いに期待され、2022年7月21日~23日の3日間、北海道札幌市内のコンベンションセンターでの開催を予定しています。学術集会のテーマとして「こころを紡いで、いのちを繋ぐ~Let’s discuss and co-operate for children’s heart~」とし、学会員や関係者の皆さまと顔を合わせ、こどもたちの心臓とこころについて、とことんdiscussionすることを目標としました。
最近の医学の進歩は目覚ましく、画像や機能解析などの診断機器の精度向上を始め、新しい治療薬の開発、そしてインターベンションや外科手術における医療機器や手技の向上など枚挙にいとまがありません。目まぐるしいまでの医療の進歩の中で、日常業務の遂行だけに忙殺され、何が本当に正しいのか、正しい方向性はどちらなのか、患者目線の診療とは何なのかなど、本来あるべき医療の本質を見過ごしてしまう危険性をはらんでいます。基礎と臨床の目に見える融合、多施設連携によるデータベースやレジストリの構築、教育の充実による次世代育成、学会専門医制度から新専門医制度への円滑な移行と継続、国際化の推進など多くの課題が山積状態です。医療の真髄をしっかり捉えるためにも、学会員や関係者同士のdiscussionはbrainstormingには欠かせず、またco-operation無くして山積した課題を克服することはできません。ぜひ学会員や関係者の皆様には夏の北海道に足を運んで頂き、学会を盛り上げて頂けましたら幸甚です。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
2021年8月吉日
主催
(大)東京医科歯科大学
小児科 細川 奨
〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45
TEL:03-5803-5249
(独)国立病院機構災害医療センター
小児科 松浦優子
〒190-0014 東京都立川市緑町3256
TEL:042-526-5511 (Ex)1400
FAX:042-526-5532
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